Windows Speech (Windows SAPI) を使用することで、テキスト レイヤーを含む PDF ファイルの読み上げを実行できます。この機能を使用するには、Windows 10 以降の OS が必要です。
音声合成言語は、Windows の [地域と言語] および [スピーチ] ページの [設定] からインストールおよび設定可能です。
デフォルトの読み上げパラメーターを設定するには
[ファイル] > [オプション] > [音声での読み上げ] を選択して、言語、声、ボリューム、および速度を指定します。ここで、アクセシビリティの範囲をドキュメント全体にするか、または最初の複数のページのみにするかを設定でき、さらに、タグを使用して読み上げ順を定義するかどうかを決定できます。詳細は 「テキストからスピーチの環境設定」 を参照してください。
現在の読み上げパラメーターを設定するには
[ファイル] > [情報] > [説明] を選択して見出し [プロパティ] をクリックし、[読み取り中] タブを開きます。読み上げ順 (左から右または右から左)、および読み上げるドキュメントの言語を指定します。
テキストの読み上げを実行するには
[詳細処理] > [音声での読み上げ] を選択して、次のツールを選択します。
現在のページの読み上げ - 現在のページを初めから終わりまで読み上げます。
ドキュメントの最後への読み込み - 現在のページの先頭からドキュメントの最後まで読み上げます。
ファイルへの読み込み - ドキュメントのすべてのテキストを読み上げた mp3 ファイルを、名前を付けて保存できます。
読み上げを開始すると、[PDF の読み込み] ツール バーが表示されます。
このツール バーには、次のコントロールがあります (左から右)。
停止 - 読み上げを停止します。(Esc キーを押しても読み上げが停止します)
一時停止 - 読み上げを一時停止します。一時停止すると、ボタンが [再開] に変更されます。
前のページ - 前のページの先頭にジャンプします。
前の段落 - 前の段落の先頭にジャンプします。
次の段落 - 次の段落の先頭にジャンプします。
次のページ - 次のページの先頭にジャンプします。
イメージのみの PDF の読み上げ
イメージのみの PDF ファイルやページを読み上げるには、PDF が検索可能になっている必要があります。
[ホーム] リボンの右側にある [検索] ツールを使用して、PDF ドキュメントまたはページが検索可能かどうかをテストします。[簡易検索] を選択して、PDF テキスト (注釈以外) に含まれる語句を入力します。検索した語句が見つからない場合は、PDF を検索可能にする必要があります。
[変換] グループの [検索可能な PDF の作成] ツールを使用します。これにより、PDF の内容を読み上げることができるようになります。
通常は、アプリケーションに組み込まれているアルゴリズムによって読み上げ順が決定されます。ただし、読み上げ順は、ドキュメントのタグ構造によって定義することができます。
これを利用するには、[ファイル] > [オプション] > [音声での読み上げ] を選択し、[タグ付きのドキュメントの場合は読み上げにタグを使用する] チェック ボックスをオンにします。
タグ構造を使用して PDF を読み上げるとき、アプリケーションでは次の仕組みが使用されます。
テキスト要素: 代替テキスト プロパティを読み上げます。これが利用できない場合、プログラムは、現在の (実際の) テキスト プロパティを読み上げます。これが利用できない場合、指定されたタグのテキスト内容を読み上げます。
テキスト以外の要素 (たとえば、イメージ):これらの要素にはテキスト内容が含まれないため、上記のステップのうちの 2 つのみが場合により適用されます。つまり、代替テキストが読み上げられ、代替テキストがない場合は、実際のテキストが読み上げられます。Word ([図の書式設定] ダイアログ、[Web] タブ) で適切な設定を使用して、Word 文書からこのような PDF 要素を作成した場合、その PDF 要素には代替テキストが含まれます。これ以外の場合、関連する要素の [プロパティ] ダイアログ ボックスの [タグ] タブを使用して、代替テキストを手動で指定する必要があります。
PDF 読み上げ機能により特別に処理される特定タイプのタグがあります。これには、以下が含まれます。
テーブル:読み上げにより、最初にテーブルが説明されます (列と行の数)。次に、特定の "見出し" を含むテーブル ヘッダーが読み上げられます。その後、左から右および上から下の順にセルが読み上げられます。実際のセルの内容が読み上げられる前に、関連するヘッダー セルの内容が読み上げられます。これは、すべてのセルに対して繰り返し行われます。
見出し:各見出しが読み上げられる前に、そのレベルが示されます。
番号付けされたリストまたは箇条書きリスト:最初に、リスト要素の番号が示され、次にリスト要素自体が読み上げられます。
フォーム フィールド:読み上げでタグを使用する場合、タグ付けされたフォーム フィールドのみ読み上げられます。タグなしのドキュメントでは、ドキュメントの内容が読み上げられた後、すべてのフォーム フィールドが読み上げられます。
注釈:タグ付きのドキュメントでは、タグが付けられた注釈のみ読み上げられます。タグなしのドキュメントでは、すべての注釈が読み上げられます (フォーム フィールドがある場合は、フォーム フィールドが読み上げられた後に、読み上げられます)。
Word から [Kofax PDF] リボンを使用してタグ付き PDF ファイルを生成すると、これらのタイプのタグが作成されます。製品に組み込まれているレイアウト アナライザーは、これらのタイプのタグを検出できません。
注
検証済みの完全なタグ構造がある場合、タグ定義の読み上げ順を使用することをお勧めします。
Jaws ソフトウェアは、インターフェイス要素のテキスト、およびドキュメントの内容を読み上げるためのスクリーン リーダー アプリケーションの 1 つで、最も広く使用されています。Jaws がご使用のコンピュータにインストールされている場合、このプログラムは Jaws と緊密に連携して動作します。
Jaws による PDF の読み上げを、プログラムに組み込まれたドキュメント読み上げ機能の代わりに使用できます。Jaws が実行中であれば、PDF が開かれるとすぐにその内容の読み取りが開始されます。この読み上げ方式では、次のキーボード操作を使用できます。
左方向キー: 前の語句を読み上げる
右方向キー: 次の語句を読み上げる
上方向キー: タグ ツリー内の前のコンテンツ要素を読み上げる
下方向キー: タグ ツリー内の次のコンテンツ要素を読み上げる
Ctrl + UP: 前のタグのコンテンツを読み上げる
Ctrl + DOWN: 次のタグのコンテンツを読み上げる
PageUp: 前のページの最初のコンテンツ要素を読み上げる
PageDown: 次のページの最初のコンテンツ要素を読み上げる
Home: ドキュメントの最初のコンテンツ要素を読み上げる
End: ドキュメントの最後のコンテンツ要素を読み上げる
Esc: 読み上げをキャンセルする
利用可能なキーボードのショートカット一覧については、Jaws のサポート Web サイトにアクセスしてください。
Jaws を使用して読み上げる PDF ドキュメント全体を解析すると、予定よりも長い時間がかかる場合があります。
ドキュメントが読み上げのためにタグ付けされている場合は、スクリーン リーダーはデフォルトでタグに従います。タグを無視して、スクリーン リーダーに読み上げ順序をまかせるには、[タグ付きドキュメントで読み上げ順序をオーバーライド] を選択します。読み上げられるテキストの順序を設定するには、[ファイル] > [オプション] > [ユーザー補助] > [スピーチ] に進み、[読み上げ順序] リストから次のいずれかを選択します。
読み上げられるテキストの量を設定するには、[ファイル] > [オプション] > [ユーザー補助] > [スピーチ] に進み、[ページ範囲] リストから次のいずれかを選択します。
Power PDF を初めて Jaws とともに起動した際に、ユーザー補助アシスタントが [オプション] パネルの [ユーザー補助] ページを表示します。これは、視覚障害者がすぐに表示およびスクリーン リーダーを設定できるようにサポートするのが目的です。同じ設定は、[ファイル] > [ユーザー補助] > [表示] および [ファイル] > [オプション] > [ユーザー補助] > [スピーチ] からでも可能です。
ヒント
PDF 文書の一部のみをサウンド ファイルに保存するには、最初に [文書を分割] を使用します。
注
この製品は、インストール時に選択した言語でテキストを読み上げます。[ファイル] > [オプション] > [音声での読み上げ] で、読み上げる言語を変更できます。